Alberobello chianche

約1mほどもある分厚い石壁に守られたトゥルッリの内部は断熱効果が高いため、「夏涼しく冬温かい」という快適空間になっています。石造建築であるトゥルッリの構造そのものが非常に耐久性に優れるため、何世紀にもわたりその姿をとどめてくることができました。

外からはわかりにくいですがトゥルッリの屋根は二層構造になっており、内側には大きく厚みのある石を利用。そして外側にはキアンコレ(chiancole)とよばれる薄い石板状に加工した石材が使われており、これがトゥルッリの屋根の独特の美しさを生み出しています。平たいものを少しずつずらしながら重ね積みするところなどは、日本の瓦にも通じる技法、構造ですね。

トゥルッリのとんがり屋根をつたって流れ落ちる雨水は、屋根に刻まれた樋を伝わり各家屋の井戸へ貯まり、まだ上水道が整備されていなかった時代には貴重な生活用水として利用されていました。

Alberobello nicchia

屋内では、分厚い壁のところどころにニッキャ(nicchia)とよばれる大小さまざまな四角い凹みが設けられており、棚や各種貯蔵庫などとして利用されています。

トゥルッリの屋根に白い漆喰で描かれている不思議な模様は、原始的なものや宗教的なものはたまた星座のシンボルなどに分類されますが、いずれもその家(あるいは各部屋)の主を識別するために標したのが始まりであったそうです。

 

 

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